商品の価格変更について

いつもお世話になっております。
スコットランドの伝統衣装を作っています野村です。
今回は商品の価格変更についてお知らせいたします。


いやー、軒並みどこに行き、何をやっても、買っても、値上がりの嵐ですね。
先日オリーブオイルを持ってレジに行ったら「あれ、前買ったときの2倍くらいしてません?」と表示された価格を2度見しちゃうほどでした。


もはやほとんどの方が身に染みて実感していらっしゃると思いますが、Hitomi Kiltmakerも今年のスカート販売価格を以下の通り変更させていただくこととなりました。(書きながら頭下げてます)


<スカート価格>
ウール生地      一律 48,950円(税込)
ポリエステル混    一律 39,600円(税込)←NEW!!


<ビスポーク販売価格>
メンズキルト     生地代金* + 縫製代 77,000円(税込)
レディースキルト   生地代金* + 縫製代 55,000円(税込)
*生地価格につきましては、長さ、素材、入荷時のポンドによって価格が変動いたします。約4~5万円程度と想定ください。


価格については本当に胃をキリキリさせながら、エクセルで数字を50回100回200回と叩き直し、某お取引先より、ひとみさーん、そろそろ価格決めてくださいねーと叱られるギリギリまで悩みました(いや実際は叱られていないんだが、もがき苦しむ自分にとっては勝手に叱られているように感じるという、こじらせ具合である)


私はアパレルに憧れを抱きブランドをはじめたのではなく、むしろ、というか絶対、確実に、1000%、for sure、心の底から、愛するスコティッシュタータンの”文化伝承”がしたくてこのブランドを運営しています。ただ、アパレルをやるからにはもちろんアパレルを知らなければ何もできないわけで、業界の仕組みも構造も分からぬままスタートした私は、もうそれはそれは色々と暴走機関車で今日まで走ってきたわけです(ぐーぐー寝てたときもあったけどな)


だからってわけではないのですが、アパレルはクールで、スマートでないといけないというイメージを勝手に抱いてしまい、価格についてはいちいち言及したり詳細まで語るものではないと思っていました。それとは反面、生地にはいくらかかっていて、縫製にはいくらかかり、ボタンと糸にこれくらいかかるんだよーときっちり公表しているブランドさんもいて、この正直スタイルに惹かれる自分もいました。


ブランドを立ち上げて5年目になる今年、今まであえて表には出してこなかった価格の裏側について、私のスカートをご愛好いただいてる大切な方々に話しても大丈夫なのでは、むしろ知ってもらうのはいいことではないか、と自分の気持ちが追いついてきたので、今回ここに綴らせていただきたいと思います。(前置き長)


まず、スコットランドの生地工場では半年に1度、価格改定が行われ新しい価格表がメールで送られてきます。 今までは上がっても60~100円程度の小さな価格上昇であったもの、一番大きな振り幅を見せたのは、ロシアとウクライナの戦闘が始まってからでした。ヨーロッパ全体で石油価格が値上がりし、食料品があがり、人件費も毎年あがっていくなか、ウール生地は一気にメーターあたり300円強の値上がりをしました。私のスカートは1着あたり約2.5m使用しているので、輸送コスト、関税を含めた生地だけで1000円弱の値上がりです(痛) そのすぐ後にイギリスから日本への輸送費がナチュラルに値上がり、このナチュラル値上げに気づいた私は「聞いてないよ…」と心がグサグサに。思わずインスタのストーリーだったか、ツイッターだったかは忘れたが、SNS上に思いの丈を吐露し心の浄化をはかったのです。南無。


私はイギリスを知っている、このままでは先の数年、イギリスの性格上おかまいなしにどんどん値上げしてくるぞ、と見た私は、当時お金を出せるだけ出して生地を我先にと買い込みました。イギリスの銀行に大切に保管されていた手持ちのエリザベスはほとんどいなくなりました。なけなしのエリザベスと引き換えに日本にやってきた生地たちを抱え、これで次年度は価格の変更なしでいけるだろうと踏ん張っていた… のが去年までで、今年はスカートに使用している革ベルトの値上がりがあり、ラスボスでやってきたのが円安&ポンド高です。


2019年に1ポンド138円でスタートしたMr.Steringは、2024年208円という高値を叩き出しました。70円の値上がりにより10,000円の価値が£72から£48に下がってしまいました。と言われてもなかなか実感が湧きづらいですので、今年イギリスのロンドンで食べたリゾットに置き換えて説明しましょう。あのリゾットは確か一皿£25でした。2019年に食べていれば3,450円で食べれたところ、2024年に食べたせいで5,200円を支払うことになりました。くそー!!2019年に食べていれば1750円も安く食べれたのに!!そして忘れないでください、イギリスはチップも払います。チップ習慣の無い日本人の私たち。え、いくら払えばいいんだろう?安心してください、アメリカより安い10%くらいを追加で払っておけばオーケーです。てことは…5,720円!リゾット一皿5720円!!(ちなみに高級店ではなくカジュアルレストランです)


とかなんとかで、もうこの時点で私の心は萎れかかっていた。目の前に広がる養老山脈を眺めながら「適正価格ってなんだろう…」と思いにふけり、寝る前に「スタバではグランデを買え」を読みながら、ペットボトルのお茶はスーパーで買うべきかコンビニで買うべきか自販機で買うべきかぐるぐる考えた。ほうなるほど、お茶はスーパーで買えばいいのか。そしてスタバではグランデを買うとな。(スタバそんなに行かんけど)


………


とまぁぐるぐるぐるぐる考えを巡らせた結果が、上記に記載させていただいた価格となりましたことを、今回皆様にお知らせ申し上げます。


今後も常に価格とは戦っていきますが、みなさまには良質なスコティッシュタータンキルトとスカートを、その時のベストな価格でご提供できるよう頑張ってまいりますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。


次回は価格に見合う高品質が自慢の「ヒトミキルトメーカーのスカートを買うべき5つの理由」について書きたいと思います。(時期未定)お楽しみに!

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