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わたしも自分のタータンが欲しかった

はじめてのイギリス旅行を終えて帰国した私は、図書館でイギリスに関する本を読み漁っていた。
たまたま手に取った本に書かれてあった「スコットランド人は各家庭にそれぞれのタータンの柄を持つ」その内容に衝撃を受けた。
「・・・スコットランド人って、すごい!」この日から私は、日本から遠く離れたスコットランドの魅力にどんどん取りつかれていった。

2年後の夏、私はスコットランドのスターリングという町にいた。
町のシンボルであるスターリング城の麓を歩いていたとき、少し古めかしい外観のテイラーを見つけた。
緊張しながらも入店してみると、そこはまるで映画の世界のようであった。壁両面にはたくさんの種類のタータンキルトが並び、キルトに合わせるアーガイル ・ ジャケットや、スポーラン(腰に身に着ける毛皮のポーチ)、スキンドゥ(靴下に挟むナイフ)といった商品が並べられている。
店内の中央にはソファと大きな机が。そこには何十種類ものタータン生地が一冊にまとめられた見本帳が置かれていた。スコットランドの人々は、この見本帳から自分の家系タータンを探すのだ。わくわくした。「わたしも自分のタータンが欲しい」と思った。

店のおじさんが声をかけてきた。「君はキルトを作りたいのかな?」私は答えた。「あ、はい、スコットランドのタータンにとても興味があるんです。でも私は日本人なので自分のタータンが無いんですよね。」おじさんは笑った。「ははは、君の好きなタータンを選べばいいんだよ。スコットランド人も昔そうして自分の家のタータンを選んだんだからね。」

店を後にした私は、スコットランドの片田舎でひとりぽつんと、うまく言葉では言い表せられない幸福感に満たされていた。スコットランドの本物のタータン文化を垣間見たことに深く感動していたのだ。グラスゴー行きのバスに飛び乗り、スコットランドのどこまでも広く美しいランドスケープを眺めながら思った。

「もし、イギリスのビザに受かったら、スコットランドに行ってキルトを作りたいな。」

スコットランド旅行から当時住んでいたアイルランドのダブリンへと帰国したその翌日。語学学校へ向かうバスの中で、一件のメールを受け取った。「あなたの応募メールが抽選により選出されました。」イギリスビザの当選通知だった。全身がじわっと熱くなった。

「スコットランドが私を呼んだ。スコットランドに行かなきゃ。スコットランドでキルトを作らなきゃ!」

スターリングで立ち寄ったキルトテイラー

スコットランド旅行中に立ち寄ったスターリングのキルトテイラー


HITOMI - Japanese Kiltmaker-

2015年のイギリス旅行をきっかけに英国の文化と歴史に魅了され、中でも「スコットランド」「タータン」に強く惹かれる。

2017年、アイルランドのダブリンへ語学留学。アイルランド滞在中にスコットランドを度々訪れ、軍事博物館やテイラーをまわり、タータンやキルトについて学ぶ。イギリス・ワーキングホリデービザの当選通知を受け取った際に、スコットランドへ伝統衣装の「キルト」を作りに行くことを決意。

「スコットランド文化を日本に持って帰りたい!」という夢を抱き、キルト作りを教えてくれる先生を探しはじめる。

2017年秋、スコットランドの首都・エディンバラへと移る。地元のキルトメーカー「Scotclans」所属、映画「トレインスポッティング」や「スター・ウォーズ」等で有名なスコットランド人俳優ユアン・マクレガーのキルトも手掛けたニコラ先生のもとで、伝統的な手縫い縫製を学ぶ。

2018年夏、日本人初のキルトメーカーとして活動をスタート。地元スコットランドの方から依頼を受け、キルト制作・販売を開始。メンズ、レディース、ミリタリー、バグパイパー、 ハイランドダンサー用など、一年で17着の作品を完成。

2019年秋、日本へ帰国。スコットランドの本場タータンを扱うテイラー「Hitomi Kiltmaker」を立ち上げ、タータン・キルトを通し、スコットランドの魅力をより多くの日本の方へお届けするため活動中。

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